法テラスが使えなかったので日弁連の委託援助申請を利用した話
経済的に厳しい方から、外国人の在留資格に関する相談が弁護士にありました。
そういった事情のある方の場合は法テラスに持ち込みます。
法テラスで報酬金を立て替えてもらうのです。
依頼者は負担のない額を法テラスに分割する形で支払うことになりますので、まとまった着手金を用意できなくても大丈夫なのです。
法テラスの援助は、
①一定の収入要件以下であること、
②勝訴の見込みがないとは言えないこと、
③民事法律扶助の趣旨に適すること、
の3点を審査によってクリアすれば受けられます。
さっそく法テラスに問い合わせてみたのですが、「入管手続きは法テラスはカバーしない」と言われてしまいました。
そういえば、法テラスは裁判や債務整理手続きへの援助が対象でした。
だから、行政手続きは範疇に入っていなかったのです。
もう依頼者に「経済的援助が受けられそうです」と言ってしまったのに…。
日弁連の委託援助業務
電話口でブツブツ言っていたら、法テラスの方が「日弁連の委託援助なら受けられるかもしれない」と教えてくれました。
調べてみたところ、法テラスや国選弁護などでカバーされない分野について人権救済の見地から弁護士費用の支援をしている日弁連の制度がありました。
カバーしているのは次の9分野です。
①刑事被疑者弁護援助
②少年保護事件付添援助
③犯罪被害者法律援助
④難民認定に関する法律援助
⑤外国人に関する法律援助
⑥子どもに対する法律援助
⑦精神障碍者に対する法律援助
⑧心神喪失者等医療観察法法律援助
⑨高齢者・障害者・ホームレス等に対する法律援助
なるほど、「外国人に対する援助」にあてはまります。
日弁連の会員ページから書式をダウンロードし、依頼者から署名・押印をもらい、事情を詳しく説明した上申書も添付して、東京なので『東京三会援助センター』(FAX 03-3580-2877)にファックスで申請しました。
結果、援助がおりました。
着手金の3分の1くらいの額が支給されたので、依頼者さんの経済的負担を少し減らすことができました。
日弁連の人権課から『法テラス委託援助業務利用の手引』という冊子だでているので、ご興味のある事務所は取寄せてみてください。
さて、きょうも書面をつくりましょうか。