別戸籍の家族でも改製原戸籍で家族であることが証明できます
東京在住のくぼたまは、感染していないのか、あるいはすでに感染していて症状が出ないだけなのか、日々不安な気持ちで外に出ないようにしています。事務所にも週2回、ローテーションを組んで他の人と顔を合わせないよう1人ずつ出勤しています。
もし、一人暮らしのくぼたまの部屋に、何かの事情で、家族の誰かがカギを開けてもらって入らなければならない事情がおこったらどうするかも考えるようになりました。
よくテレビドラマであるように「自分はこの部屋の住人の家族の者だ」と言えばアパートの管理会社がすんなりカギを開けてくれるとは思えません。“自称家族の者”を何の確認もせずに、信用はしないでしょう。
くぼたまが現在住んでいるアパートでは賃貸借契約のときに緊急連絡先を届けることになっていたので、兄を連絡先として届けています。以前住んでいたアパートでは連帯保証人を立てていたので、同じく連帯保証人であった兄の連絡先が賃貸借契約書に書いてありました。
いずれの場合も、もしものときは、兄が身分証明書を持って行って管理会社に連絡すれば、アパートの鍵を開けてくれるでしょう。
では、前もって家族の者を届け出ていないシチュエーションで、“くぼたまの兄”であることを示すには、どうすればよいでしょうか。公的な家族の証明書といえば、戸籍です。
戸籍は、筆頭者とその配偶者、子どもが1セットの家族として載っています。筆頭者が戸籍をおこしてから、子どもが増えたり結婚して出て行ったり、配偶者が離婚して出て行ったりといった1セットの家族の増減の履歴を、戸籍を閉じるまで記録していくものです。
戸籍を閉じる理由は3つあります。他の市区村に戸籍を移したとき、戸籍にのっている人が全員いなくなったとき(死亡、他の戸籍に移動したなど)、そして法改正により戸籍のフォーマットが変わったときです。
平成6年の法改正で、手書きだった戸籍簿がコンピュータ化されました。現在の戸籍には、コンピュータ化する前の戸籍の履歴は載っていません。フォーマットが変わると、戸籍の履歴もリセットされるのです。
くぼたまが分籍(自分を筆頭者とする戸籍を新しくつくること)、兄が結婚して親の戸籍を離れたのは戸籍がコンピュータ化する前だったので、現在の親の戸籍の履歴はリセットされて、くぼたまと兄はのっていません。
くぼたまと兄が一緒の戸籍にのっているのはコンピュータ化以前の戸籍の履歴までです。
コンピュータ化により閉じた戸籍(改製原戸籍)は現在の戸籍と同じ手続きで入手可能です。改製原戸籍が、くぼたまと兄が兄妹であることを示す公的書類となるのです。
ということで、兄上様、なにかのトラブルでくぼたまと兄妹であることを証明しなければならない場面ががありましたら、改製原戸籍と身分証明書を用意してください。