(花粉と法改正のない)春よ来い4 改正債権法の法定利息
法定利息
第404条 利息を生ずべき債権について、別段の意思表示がないときは、その利率は、年5分とする。
⇩ 改正後
第404条 利息を生ずべき債権について、別段の意思表示がないときは、その利 率は、その利息が生じた最初の時点における法定利息による。
2 法定利息は、年3パーセントとする。
3 前項の規定にかかわらず、法定利息は、法務省令で定めるところにより、3年を1期とし、1期ごとに、次項の規定により変動するものとする。
(4・5項は法定利率の決定方法なので省略)
「民法の法定利息は年5%」と覚えていた認識を、変えないといけません。しかも、改正後は年3%となっただけでなく、3年ごとに4・5項のルールに従って変動するようです。なんだか、面倒ですね。
中間利息の控除
第417条の2 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利息により、これをする。
2 将来において負担すべき負担についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。
これまで中間利息の控除については、根拠条文がなく、交通事故の損害賠償計算では普通に運用されてきました。
交通事故の損害賠償計算は公平性の観点から、システマティックになっていて、意味が分からなくても赤い本を頼りにすれば計算はできます。
「中間利息の控除」が難しく、私は理解が今一つできません。完全にわからないままで、計算式に従って損害計算をしている状態です。
解説書や交通事故弁護士さんのサイトでは、「何年間かかけてもらえる金額を一括でもらうともらいすぎになるから、その分控除する」というふうに書いてあります。「もらいすぎ」って、何をでしょう?よくわかりません。
今回の法改正を機に、弁護士に助けてもらいながら、私なりに考え方を理解しました(多分)。
現実の損害計算をざっくり単純化して考え方を示します。
5年後に100万円支払われるとして、
・〇円 × 法定利息 × 5年 = 100万円
・それを今、5年を待たずに受け取るなら、〇円
(今受け取れるのは、5年分の法定利息を差し引いた金額)
・5年分の法定利息を差し引くこと⇒中間利息の控除
どれだけ伝わりましたでしょうか。私は、とりあえずこれで理解したことにしました。
わからなくても、「年収×労働能力喪失率×後遺障害確定時のライプニッツ係数」が計算できれば、とりあえずよし。でも、できれば自分がしている作業の意味はわかっておきたいものです。
さて、今日も書面をつくりましょうか。