高裁刑事の公判期日請書をはじめてつくりました

 はじめてつくる書面は緊張します。刑事事件の控訴審の期日請書です。

 そもそも刑事事件自体あまり件数がないから公判期日の期日請書もめったにつくらないし、さらに控訴審は私が渡り歩いた事務所では激レアです。

 ~控訴被告事件?

 民事訴訟の場合、控訴審では事件名は「~請求控訴事件」というように事件名の表示がかわります。また当事者も原告・被告から控訴人・被控訴人とかわります。

 とすると刑事事件の控訴審も事件名や当事者の表示もかわるのではないか、と考えるのが自然です。しかし、さにあらず。高裁刑事部からの手紙やあちこちの書式例を確認したところ、刑事の場合は事件名も「~被告事件」と地裁と同じだし、被告人は被告人のままで変化なしでした。

 結局、地裁に提出する公判期日の期日請書と同じ体裁の公判期日請書をつくって、高裁にファックスしました。

 控訴趣意書差出最終日通知書

 民事訴訟では、控訴状に控訴理由を明記しないときは追って「控訴理由書」を提出することになっています。提出期限は控訴提起後50日以内と民事訴訟規則第182条で定められています。

 刑事訴訟では控訴趣意書(「控訴理由書」と微妙に名前が違う)の提出期限は定められていません。刑事訴訟規則第236条では控訴裁判所が最終日を指定して通知しなければならないと定めてあるだけで、日数は定めがありません。

 今回、高裁から「控訴趣意書差出最終日通知書」を受け取って、はじめてこの違いを知りました。ちなみに、指定された期限は、控訴提起から大体1ケ月ちょっとくらいの期間でした。

 まったく、「控訴理由書」と「控訴趣意書」だの、「控訴提起後50日以内」だったり「最終日を指定して通知」だったり、民事訴訟手続と刑事訴訟手続でヨコの連携というものがないのでしょうか。これもお役所の縦割り仕事というやつで、現場の私たちは混乱させられてしまいます。

 ひとつ経験値があがったところで、民事の期日請書でもつくりましょうか。