年賀状は1枚平均1秒のご挨拶

 年賀状、準備が大変ですね。

 私は8月31日に宿題を泣きながら片付ける子だったので、大人になった今も年賀状の準備がギリギリになってしまいます。

 いっそやめてしまいたい、と逃げたくなりますが、それもさびしいのです。それに、士業であるならば広告宣伝ツールとして、年賀状は出し続けることが必要なのです。

昔の弁護士は広告をだせなかった

 私が弁護士事務所に勤めるようになった平成ヒトケタの頃(オウム事件の裁判が次々に始まった頃ですが)、弁護士は広告を出せませんでした。

 私は「そういう不文律がある」と聞いていましたが、明文化されたルールがあったのかもしれません。弁護士が言うには「広告を出すのははしたない」ということでした。

 弁護士事務所にたずねてくるのは、離婚だの借金だののトラブルをかかえたハッピーでない方たちです。そういった方たちに向けて積極的に営業をかけるような広告をうつのは、確かに、はしたないかもしれません。

 とは言え、自分の仕事を知ってもらわないと仕事が来ません。そこで、年賀状や暑中見舞いを熱心に出したのです。1年に一度でもハガキでご挨拶を続けるのです。

 しかもたいていの人は年賀状を一定期間は保存しておいてくれます。実際、なにかトラブルが起きて弁護士に相談したいなーと思ったときに、ふと思い出して年賀状を取り出して電話した、というパターンで相談に来られた方がかつては結構いました。

 やはり年賀状は宣伝ツールとしてアリ

 ネット優位の現在では、年賀状は流行りません。年々流通する枚数が減少しています。私もメールで挨拶すればいいや、と思っていました。

 しかし、私自身が行政書士として開業してから考えが変わりました。1年に1回、挨拶できる機会をいただけるのは、自営業者としてはありがたいのです。誰彼かまわず闇雲に営業を仕掛けるよりも、少しは知っている人に「行政書士です。こんな仕事をして元気にやってます」と定期的に伝えていく方が効率的です。行政書士開業準備講座でも、そうレクチャーを受けました。

 例え1秒でも、自分について関心をもつ時間をいただけるのは、ありがたいことなのです。また、年賀状の端っこの1行メッセージのやりとりを1年単位で緩慢に続けるのも、まったく没交渉になってしまうよりもいいと思います。

 面倒ですけど、先生方の年賀状も自分の年賀状もがんばりましょう。今年最後の仕事です。