残高0円でも口座は生きています

遺産目録を作成するときや、自己破産申立てで資産目録を作成するときに、お手持ちの銀行口座をすべて確認させてもらいます。

 相続の場合は残高証明書をとりつけてもらうか、通帳を見せてもらいます。

 自己破産の場合は過去3年分の通帳のコピーを提出しますから、通帳を預からせてもらうかコピーをご提出いただきます。

「預金口座全部教えてください」とお願いしただけでは、こちらが欲しいものを全て教えていただけないケースがあります。

 正確に言うと「使っていない口座でも、残高が0円の口座でも、閉鎖していない銀行口座全て教えてください」とお願いしなければなりません。

使っていない口座

 よく「この口座は今は使ってないので、100円くらいしか預金がないからいいや」と言われることがあります。

 たとえ100円でもお金はお金です。額の多寡ではなく「お金が入っている口座がある」ということは変わりありません。

なお、平成30年1月1日施行の『民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律』では、平成21年以降10年以上動きのない口座(休眠口座)は子供及び若者の支援などの3分野の公益活動の資金に活用されることになりました。

 しかし、休眠口座となっても引き出しは可能ですから、口座が消えてなくなることはありませんから、休眠状態になっても「お手持ちの口座」であることに変わりはないのです。

残高0円の口座

 解約の手続をとらない限り、口座は生きています。

 今現在残高が0円でも、お金が入っているときに利息が発生している可能性があります。

 残高を0円にしても、その後に利息がわずかでも入金されてしまうことがありえるのです。

 考え得るとりこぼしの可能性には、できる限り対応しておいた方が安全というものです。

 あとでトラブルが起こるタネはひとつでも取り除いておきたい、特にプロが受任しているなら、杓子定規なくらいにきちんとした目録をつくるほうがいいというのがチキンハートの私の気持ちです。

  さて、今日も書面をつくりましょうか。