ウェブ会議フェーズ1=電話会議の進化版

 令和2年2月1日から、「ウェブ会議等のITツールを活用した争点整理の運用」が東京地裁でも始まったそうです。東京地裁51部のうち21か部(1,4,7,8,11,19,22,29,31,33,36,37,39,40,41,42,44,45,46,47,48部)が対象です。保全、民事執行、破産などの手続部や審理が複雑な交通部、医療集中部は当然外れるとして、商事部や借地非訟部、労働部、知財部なども対象に入っています。

 となると、これから申立てる新件では、すぐにこの新制度の対象に該当する確率は高そうです。うかうかしてはいられません。

 情報を仕入れよう

 新聞やネットニュースからでは、争点整理に代理人が裁判所に出向かなくてもディスプレイで顔を見ながらの電話会議、というくらいの概略しかわかりません。

 もっと具体的な情報を求めて、日弁連ワーキンググループ作成の『民事裁判手続IT化 弁護士向け フェーズ1 対応マニュアル』と東京地方裁判所民事部作成の『ウェブ会議等による争点整理手続の実施要領 (通常想定される手続の流れ)』を入手しました。

 両冊子とも結構な枚数なので、具体的な手続きは置いといて、まず最初の段階として機器類は何をそろえておけばいいのか確認しましょう。私自身がウェブ会議に参加するわけではありませんが、おろおろする弁護士のフォローをするのが私の仕事です。

 とりあえず何を準備すればいいのか

 日弁連の冊子の13ページに詳細が書いてあります。

  • パソコン
  • カメラ
  • スピーカーマイク
  • ディスプレイ
  • Microsoft teamsのインストール
  • 静かなスペース

 一人の弁護士が対応するなら、カメラ内蔵のノートパソコン1台あれば大丈夫そうです。スムーズに会話をするためには、ハンズフリーのヘッドセットもあったほうが良さそうです。あとでアキバに見に行ってきましょう。

 ⑤Microsoft teamsはWindows7でもインストール可で、無料版で十分です。ウェブ会議となると最初に裁判所から招待ーメールが届くそうなので、その際にアカウント登録とともにインストールすれば間に合うでしょう。

 静かなスペースについては、会議ブースを充てるとして、その時間内は事務所全体を静かに保ち「無言の行」が課せられることになるのでしょう。

 フェーズ1=一歩進んだ電話会議

 今回始まった「フェーズ1」というのは現行法を改正しない範囲でのウェブ対応、ということです。具体的には電話会議が電話回線だけでなくテレビ電話になり、かつデータファイルも共有できるので、会議をしつつ共同で編集作業もできるというものです。

 フェーズ2では法改正をして口頭弁論のやりとりもウェブ上で可能となり、フェーズ3で訴状提出もウェブで可能となる。という流れだそうです。

別紙1「チームズ」ポンチ絵

 全体的なイメージの図画が東京地裁の冊子の23ページに掲載されています。「ポンチ絵」という言葉を久しぶりに目にしました。
しかし、弁護士の言うには、霞が関界隈では今でも「ポンチ絵を使って説明する」という言葉が普通に使われているそうです。

 新しいことは不安がつきものですが、日弁連の冊子と東京地裁の冊子があればなんとかフェーズ1まではついていけそうな気がします。

 とりあえず、今日のところは書面でも作りましょうか。