重箱の隅をつっつく仕事 それが校正作業

いつも思うのです。

 なぜ他人の文書のミスは見つけられるのに、自分が作った文書のミスは見つけられないのだろう。

 そして、なぜ提出した後になってミスを見つけちゃうんだろう。

 自分のミスは必死にがんばるとして、先生方の作った文書の校正も法律事務の一環です。

 いつもしている作業なので、注意すべきポイントは決まっています。

用語の統一

 ひとつの文書のなかで、同じことを指す言葉がいくつもあるとヘンです。

 最初に「訴外くぼたま」と言っていたのに、途中から「くぼたま」に変わったり「くぼ」になったりするパターンです。

 前後のつながりでわかりますが、誰を指すかわからないような文章は書くべきではありません。

 長い名称が何度も出てくるようなら、最初の登場のときに略称をつくって「以下○○という」にして、同じ文書内では統一しましょう。

「原告」「被告」が入れ替わる

 ボリュームのある準備書面だと、途中でなぜか「原告」と「被告」が入れ替わることがあります。

 ぼやーっと読んでいると、こっちまで混乱します。

 事前に登場人物の関係を頭に入れてから、チェックに入った方がいいです。

長い文章だと「主語」と「述語」が対応していない

 主語が能動態なのに述語が受動態になっている、日本語的におかしい文章になってしまっていることがあります。

 1文が4行も5行もわたっていると、書いている方は混乱してくるのだと思います。

 1文をコンパクトに書く人だとあまりしないミスです。

 校正する者はゆっくり読んで、日本語的に意味が通るように考えて訂正を入れます。

項目番号がおかしくなっている

 第1 原告の主張

  1 これまでの経緯… というふうに項目番号をふっていきますが、文章のあとの方になると段々とおかしくなってくるのも、よくあるミスです。

 「てにをは」と誤字脱字チェックが済んだら、全体を見通して項目番号がきちんと通っているかの確認は必須です。

あとは、固有名詞、医療用語、法律用語など、自分が知らない名称はネットで調べて確認をとります。

数字などの日付、住所も案外ミスします。

人の名前は間違えると失礼だし、不快感を与えますから要注意です。

私はいわゆるキラキラネームの名前なので、しょっちゅう書き間違えられます。

見つけるたびにイラッとします。

 校正はとにかく、丁寧にみていくことしかありません。

 自分の作った文書は倍の神経を遣うか、他人にチェックしてもらうかかしないといけませんね。

 さて、今日も書面をつくりましょうか。