私の職務上請求書の「利用の目的」欄の書き方―相続事件編

職務上請求書を一番使うのは、相続事件ではないでしょうか。

 被相続人の戸籍を出生から死亡までフルセット揃えなければ、はじまりません。

まず法定相続人を確認します。

 このとき、相続人の言うことはあまりアテにしない方がいかもしれません。

 よくあるのは「子供のころ養子に出た兄弟がいたけど、よその家の子になったのだから関係ない」(特別養子でない限り、相続人です!)とか、家族の知らない結婚をしていて子供が他にいる、というケース。

 自分の目で戸籍を確認しないと、事故につながりかねません。

相続のときの「利用の目的」欄

 私は窓口の人がわかりやすいように被相続人と対象となる人を明示し、関係も書き加えるようにしています。

「令和元年5月1日死亡した○田△太(□田○子[請求対象者]の父)を被相続人とする相続手続をなすため必要です」

 という感じです。

 職務上請求用紙の見本には「登記手続きのため」と目的を限定しています。

しかし相続手続は登記手続だけでなく金融機関などさまざまあり、どこでも必ず被相続人の戸籍一式、除住民票と法定相続人の現在戸籍と住民票はセットで求められますから、還付を受けて使いまわします。

そうすると、「相続手続のため」が正直なのではないか、と私は考えています。

そして、私は窓口の人に「誰が被相続人か」「どこまでの戸籍は揃っているのか」はできるだけ伝えるようにしています。

 そうすれば、申請書に記載した以外の戸籍も用意してくれます。

 ただ請求書を黙って差し出すと、他にも該当の戸籍があるのに、本当に申請したものしか出してくれないということがあります。

その場合は、その場で申請書をもう1枚書いて申請することになりますが、窓口の人にきちんと欲しいものを把握してもらった方がラクというものです。

上手に窓口の人のお力をお借りして、効率よくやりたいものですよね。

さて、今日も書面をつくりましょうか。